久々に会う友人からドライブに誘われた。
万灯呂山展望台に連れて行ってくれるということで。
彼とは2年ちょっとの付き合いだが、今回は9か月ぶりの再会。
お互いの近況を報告し合う。
彼は長く務めた研究職を辞め、まったく違う職につくことにしたという。
修行のために今夏から金沢に移住するそうだ。
自分がやりたいことを熟考し、大きな決断をした彼に拍手を送りたい。
6年制の大学を出て医療系の国家資格まで取得して、全然別の道に進むとは、周囲の説得には骨が折れたはずだ。
彼の決断力と行動力には脱帽する。
その反面、友として言わせてもらうとやはり寂しい。
彼の代わりなど誰もいないのだ。
彼の選ぶことばはずっと温かいのに、私の手はひんやり冷たくなっていく。
寂しさに体温を奪われてしまったみたい。
国道から脇道に逸れ、次第に民家が減っていき、森に入る。
街灯ひとつない。
どんどん道は狭く、蛇行していく。
まるでブレア・ウィッチのような深い森を、スピードを緩めることなく進む。
夜の19:50でも深夜の2時のようなひっそりとした暗さ。
それでも彼の迷いがないハンドルが心強くて、全然怖くなかった。
展望台からの眺めには、心の底から感動した。
私たち2人はゲラゲラ笑い合って、たまに夜景を見てしみじみした。
この景色を忘れたくない。
夜景がこんなに美しいなんて知らなかったよ。
彼とこの美しい夜景を京都でみられて嬉しかった。
君のさらなる活躍と健康を祈ってる。
GWに私を思い出してドライブに誘ってくれて、ありがとう。